唐辛子食べたら痩せる!?〜カプサイシンとは

唐辛子に含まれるカプサイシンはダイエットに効果があります。カプサイシンは脂肪を脂肪酸に分解するホルモン感受性リパーゼ(HSL)の分泌を促進させて体脂肪減少のサポートをします。

今回はカプサイシンを深掘りしてダイエットの知識を高めていきたいと思います。

カプサイシンとは?

唐辛子やトウガラシ粉末から作られたキムチやカレーなどに多く含まれる辛味成分です。舌の痛覚神経を刺激する事で辛みとして作用します。

1. カプサイシンは気体になりにくく熱で壊れないため、唐辛子を砕いたり・熱処理しても辛さが減りません。
2.水にもほとんど溶けないため、辛さを抑えるために水を飲んでも効果も低いです。
3. 油やアルコール・酢には溶けやすいので辛味を抑えるのにマヨネーズ等を活用する事があります。

カプサイシンの歴史

1846年、イギリスの研究者(スレッシュ)が、唐辛子の種子や雌蕊に含まれる辛味成分の結晶化に成功し、唐辛子の学名である「Capsicum annuum(カプサイシウム アニューム)」を語源として、カプサイシンと名付けました。

カプサイシンには①脂肪燃焼効果、②冷え性や便秘の改善・疲労回復効果、③代謝や血行促進など様々あります。今回は脂肪燃焼をピックアップしていきたいと思います。

  1. 脂肪燃焼効果
  2. 冷え性や便秘の改善・疲労回復効果
  3. 代謝や血行促進

辛さ(痛み)を生じさせるTRPV1

TRPV1とは感覚神経細胞の細胞膜にあるイオンチャネルで、カプサイシンや43 ℃を超える熱刺激で開きます。チャネルが開く事でCa2+やNa+が流れ込み神経細胞が脱分極して発生・灼熱感を引き起こします。肛門側の直腸にTRPV1が多く存在していて、カプサイシン刺激で灼熱感を感じます。

その為、辛い物を食べ過ぎた時に肛門に違和感を生じます。カプサイシンでの生理反応の原因には、TRPV1が関連しています。

脂肪燃焼の簡単なメカニズムメカニズムの説明をする前に少しだけ、エネルギーを作る過程について説明します。身体を動かすには体内でATP(アデノシン三リン酸)を合成させます。ATPがある事で筋肉の収縮・弛緩が生じて身体を動かす事ができます。

ATPの合成は大きく2つの経路があります。1つ目が解糖系と呼ばれる糖質(グリコーゲン)をエネルギーとした回路です。無酸素運動と呼ばれる回路で、グリコーゲンからピルビン酸と乳酸を合成します(完璧な無酸素ではないのでこの呼び方を否定する人もます)その過程で2分子のATPを合成して、約33秒の運動を持続させます。

2つ目がTCA回路(クエン酸回路)と呼ばれる回路で有酸素経路とも呼ばれます。解糖系で合成されたピルビン酸・脂肪酸をエネルギーとして活用します。ピルビン酸では29〜31ATP、脂肪酸では129〜131ATPを合成します。脂肪はエネルギー効率が高くかなり優秀な栄養素です。

かっこいい身体を作るには体脂肪を効率良く利用する必要があります。その過程として、体脂肪を脂肪酸という状態に分解しないといけません。脂肪酸となって初めて、TCA回路系でエネルギーとして利用されます。

また、体脂肪を脂肪酸に分解するにはホルモン感受性リパーゼ(HSL)を促進させる必要があります。HSLを活性させるには空腹状態を作る事とアドレナリン・ノルアドレナリン(カテコールアミン系)を分泌させる事が重要になります。

カテコールアミン系が脂肪細胞表面の受容体に結合すると、その情報が細胞内に伝達されて、タンパク質リン酸化酵素(PKA)が活性化されます。その後、HSLがリン酸化する事で活性が上昇します。

アドレナリンの分泌→HSLの活性→脂肪を脂肪酸へ分解→TCA回路で脂肪酸を代謝

この流れが体脂肪を減らすのに重要!

 

カプサイシンはアドレナリンの分泌を促進する事で体脂肪減少に効果を発揮します。辛味成分が痛感神経(TRPV1)を刺激して交換神経が優位に働き促進されます。交換神経の詳細についてはまた後日まとめたいと思います。

辛味成分のない”カプシエイト”

カプサイシンは体脂肪減少に効果的ですが、強い辛味成分があり生理的効果を得るための必要量を摂取するのは困難です。そのため、カプシエイトと呼ばれるカプサイシンと同等の効果があり、辛味成分のない成分が注目を浴びています。

カプシエイトは口腔内ではTRPV1が反応せず、胃腸管で反応します。そのため、辛味成分がないにも関わらず脂肪燃焼効果が期待できるます。

カプシエイトだけを食材で摂取するのは困難ですがサプリメントでは多く販売されているので試してみるのも良いかと思います。私もダイエットする時には活用してみたいと思っています。

カプサイシンのまとめ

体脂肪を落とすために、脂肪を脂肪酸に分解するHSL分泌を活性する必要があります。HSLを活性させるのに、アドレナリンが重要でカプサイシンはアドレナリン分泌の促進に関与します。カプサイシンを取る事が効果があるかもしれませんね。

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