たんぱく質を勉強しよう

筋肉を作るためには、たんぱく質の摂取が重要です。最近では、トレーニング後にプロティンを飲む習慣も当たり前になり、コンビニでプロティンが販売されるなど日常生活に浸透しています。ですが、たんぱく質がどのように構成されているなど細かい事まで知らない人が多いと思います。今回はたんぱく質の事を深掘りして、身体作りに役立つ情報をまとめていきたいと思います。

たんぱく質とは?

たんぱく質は炭水化物・脂質と合わせて三大栄養素と呼ばれています。人間の筋肉や臓器、体内の調整であるホルモンの材料として必要な栄養素です。食材として動物性・植物性たんぱく質に区別され、動物性は「牛乳・卵・魚・肉など」、植物性は「納豆・豆腐など豆類」から分類されます。

たんぱく質は多数のアミノ酸と呼ばれる物が結合してできています。動物性と植物性ではアミノ酸の構造が違う為、目的用途により摂取方法が変化します。たんぱく質を理解する為にアミノ酸を理解する必要があります。

アミノ酸とは

20種類のアミノ酸が存在していて、体内で合成できない9種類の「必須アミノ酸」と合成できる11種類の「非必須アミノ酸」に分かれます。今回は食事で摂取する必要がある必須アミノ酸と体内で合成できる非必須アミノ酸ですが食事での摂取も意識したい「アルギニン・グルタミン」についてまとめてみました。

必須アミノ酸とは

人間の体内で十分な量を作れないので栄養分として摂取しなければならないアミノ酸の事を言います。それは下記の9種類です。

  1. バリン
  2. ロイシン
  3. イソロイシン
  4. リジン
  5. メチオニン
  6. トリプトファン
  7. フェニルアラニン
  8. スレオニン
  9. ヒスチジン

1. バリン・2.ロイシン・3.イソロイシン(分岐鎖アミノ酸)

バリン・ロイシン・イソロイシンは3つ合わせてBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれます。BCAAは筋肉中の必須アミノ酸の約35%を占めており、筋肉を作る上で最も重要なアミノ酸です。マグロ、カツオなど魚類や肉、卵などの食材に多く含まれています。必須アミノ酸のほとんどは肝臓で代謝され骨格筋などの組織の材料となります。

BCAAは他のアミノ酸と異なり、骨格筋で代謝される為、運動時のエネルギー源としての役割もあります。BCAAの中でも特にロイシンが重要な筋肉を作る上で大きな役割があります。そのため、筋トレ時に摂取するBCAAを選ぶポイントとしれロイシンの含有量を確認すると良いです。BCAAに関しては、また別の記事で細かく紹介できたらなと思います。

4. リジン

リジンは脳を働かせる栄養素として、疲労回復や集中力を高めてくれます。肝機能のサポートや髪や肌を構成する材料になり育毛効果が期待できると言われています。また、ヘルペスウイルスの発症抑制にも効果があり、ヘルペス持ちの方は意識したい栄養素でもあります。

5. メチオニン

硫黄を含んだ含硫アミノ酸で肝機能の向上・脂肪燃焼に関わる(カルニチン生合成の原料)・コレステロールの分解促進など身体の調整に関与します。牛肉、魚肉、レバー、牛乳などに多く含まれて、ヒスタミンの血中濃度を下げ、アレルギーを引き起こしにくくする効果もあります。

6. トリプトファン

トリプトファンは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの材料として必要です。セロトニンとは脳内の神経伝達物質で、脳からの指令の調整をする物質です。セロトニンによりドーパミンなどの脳の興奮を鎮静する事ができ、心身をリラックスさせる効果があります。豆腐・納豆などの大豆製品やチーズ・牛乳などの乳製品に多く含まれています。食べ物から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化して、夜になると睡眠を促進するメラトニンに変化します。日中の活動や睡眠を促進する為にトリプトファンを意識して摂取する必要があります。

7. フェニルアラニン

フェニルアラニンはチロシンを合成するのに必要な栄養素です。チロシンはドーパミンやノルアドレナリンを合成する材料として必要で、不足するとやる気・活力の低下、思考の停止などが 生じます。その為、フェニルアラニンの摂取により、うつ症状の緩和効果や記憶力の向上効果も期待されます。大豆・豆腐など豆類に多く含まれています

8. スレオニン

スレオニンはコラーゲンを合成する材料や、肝臓の脂質代謝を促進する効果があります。
また、胃や腸を保護する効果があり胃炎予防としても活用されます。肉や卵など多く含まれています。

9. ヒスチジン

ヒスチジンはヒスタミンに変換されて体内で働きます。ヒスタミンは花粉症などアレルギーの誘発作用として有名ですが、満腹中枢の働きを促進して食欲を抑える効果があります。食事をよく噛んで満腹感を感じるのもヒスタミン分泌が活発になる為です。ヒスチジンは、大人の体内では合成できますが、子供の体内では作る事ができません。その為、必須アミノ酸の分類に区分けせれます。大人ではそこまで摂取を意識しなくでも大丈夫ですが、子供には積極的に意識してほしい栄養素です。青魚に肉類などに多く含まれています。

非必須アミノ酸

1. アルギニン

アルギニンは体内で合成される、非必須アミノ酸ですが乳幼児や成長期の子供では十分に合成できず不足します。大人でも体内で合成できる量は少ない為、不足分を食事で補う必要があります。アルギニンは筋肉を作る上で必要な成長ホルモン分泌の促進や免疫力の向上、血管を拡張させて血流の促進などの効果が期待できます。大豆類やうなぎ、ニンニクなどに多く含まれています。

2. グルタミン

グルタミンは体内で一番多く存在するアミノ酸で、全遊離アミノ酸中60%を占めています。
筋肉の分解抑制や消化器官・免疫力の向上などに効果が期待できます。普段は筋肉や血液中に大量に保管されていて、風邪を引いたときや、疲労が溜まったとき、運動をした時など、体にストレスがかかっている時に大量に消費されます。その為、体調不良や運動後にはしっかりと摂取したい栄養素の一つです。肉や魚、卵、大豆類などに含まれています。

ざっくりですが一部のアミノ酸の説明をさせていただきました。たんぱく質とはこのアミノ酸が複数結合した状態です。肉や魚などで摂取したたんぱく質は体内で吸収される為、アミノ酸に分解されます。次にその過程も含めてたんぱく質の紹介をしいきます。

たんぱく質の消化と吸収

たんぱく質はアミノ酸が重なってできた立体構造をしています。吸収する為には、それを一つずつ分解していく必要があります。その役割が体内では胃から分泌される「ペプシン」が大きな役割を示します。まず、胃にたんぱく質が入ると胃壁からペプシノーゲンと胃酸が分泌されます。ペプシノーゲンは胃酸により「ペプシン」に変化して、たんぱく質分解酵素として働きます。ペプシンでは大きな分子のペプチドの状態に分解します。その後、十二指腸(小腸)へ送られて膵臓から出る膵液(トリプシン・キモトリプシンなど)で小さな分子のペプチドまでに分解します。その後、小腸壁の細胞にあるジペプチターゼによりアミノ酸に分解されます。最終的に網野酸は門脈(肝臓に栄養を運ぶ静脈)から肝臓に輸送されて利用されます。

肝臓ではその一部から必要に応じて血漿たんぱく質に合成されたのちに、アミノ酸とし全身に送られます。アミノ酸はアミノ酸プールとして肝臓などの組織に貯蓄されています。必要に応じてアミノ酸プールから放出されてたんぱく質の合成などに活用されます。補足ですがインスリン濃度の上昇では、この骨格筋たんぱく質合成速度が増加します。その為、筋肉を作る上では糖質の摂取はかなり重要になってきます。

たんぱく質の種類[動物性・植物性]

たんぱく質は大きく動物性と植物性に分けられます。名前の通り、動物性は「肉・魚・卵など」、植物性は「大豆・納豆など」に豊富に含まれています。それぞれアミノ酸の組み合わせが異なる為、動物性と植物性に分けられています。

【動物性】

必須アミノ酸の含有量が多い
筋肉に必要なロイシンの含有率が高い
筋肉を増やすには動物性たんぱく質の摂取は必須

【植物性】

ポリフェノール(イソブラボン)が含まれている。
イソブラボン→エストロゲン様効果があり女性の健康に大事
アルギニン・グルタミンなど健康に関わるアミノ酸が豊富に含有

と、それぞれ効能が少し異なります。イメージとしては動物性・植物性 「男性= 7:3、女性=5:5」(あくまでも一例)みたいな感じで動物性と植物性でたんぱく質摂取の比率を使い分けると良いかと思います。

最後に

今回はたんぱく質の事についてまとめました。まずはアミノ酸の種類と効能を理解して、目的に応じて食事内容やアミノ酸摂取を調整していくといいですね。

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