MMA(総合格闘技)では、技術や戦略だけでなく、筋力や瞬発力も試合の勝敗を左右する重要な要素です。特に下半身の爆発的な力発揮は、パンチやキック、タックルなどの動作に直結します。
そのため、MMA選手の身体能力を測る指標として**カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)**が注目されています。本記事では、MMA選手のCMJの力学、パフォーマンス向上のためのポイント、そして最適なトレーニング方法について解説します。
Contents
CMJとは?
CMJ(カウンタームーブメントジャンプ)とは、膝を軽く曲げた後にすぐにジャンプする動作のことです。このジャンプ動作は、**伸張-短縮サイクル(SSC)**を活用し、筋肉が素早く力を発揮する能力を評価するのに適しています。
CMJの評価ポイント
CMJでは以下のようなポイントを測定できます。
- ジャンプの高さ(爆発的な筋力の指標)
- 修正反応強度指数(RSImod)(短時間で力を発揮できるか)
- エキセントリックフェーズの時間(準備動作の効率性)
高レベル(HL)のMMA選手と低レベル(LL)の選手では、これらの数値に明確な違いがありました。
研究結果:MMA選手のCMJパフォーマンスの違い
MMA選手27名(HL:14名、LL:13名)を対象にCMJを分析した結果、以下のような違いが明らかになりました。
🔍 高レベル(HL)MMA選手の特徴
✅ ジャンプ中のピークパワーが高い(60.01 W/kg vs 48.92 W/kg) ✅ RSImodが27%高い(0.65 vs 0.51) ✅ 準備動作(エキセントリックフェーズ)の時間が27%短い(0.30秒 vs 0.41秒) ✅ ジャンプの最高到達点が約11%高い(0.51m vs 0.45m)
これらの結果から、HL選手は短時間で効率的に力を発揮し、より高くジャンプできることが分かります。
RSImodとは?MMA選手にとっての重要性
RSImod(修正反応強度指数)とは、 RSImod=ジャンプ高さ(m)÷動作時間(秒)RSImod = ジャンプ高さ(m) ÷ 動作時間(秒) で算出され、瞬発力の指標となります。
MMAでは、攻撃や防御の際に短時間で力を発揮する能力が求められます。 例えば、
- タックルの初動速度
- パンチの踏み込み時の爆発力
- キック時の反応スピード
これらを向上させるには、RSImodを意識したトレーニングが重要です。
MMA選手向けのおすすめトレーニング
1️⃣ デプスジャンプ(Depth Jump)
目的: RSImodの向上、反応速度強化
- やり方: 30~50cmの台から飛び降り、着地と同時に素早くジャンプ
- 回数: 6~8回 × 3セット
- ポイント: 着地時間を最小限にし、爆発的にジャンプする
2️⃣ ボックスジャンプ
目的: 爆発力と下半身の筋力向上
- やり方: 30~60cmの台にジャンプし、安定して着地
- 回数: 8~12回 × 3セット
- ポイント: 確実に台に乗れる高さで行う
3️⃣ オリンピックリフト(クリーン & スナッチ)
目的: 全身の瞬発力向上
- やり方: クリーンやスナッチを用いて、最大パワーを発揮
- 回数: 2
4回 × 35セット - ポイント: 高重量・低回数で行い、最大爆発力を鍛える
4️⃣ メディシンボールスラム
目的: 全身の爆発力と反応速度向上
- やり方: メディシンボールを頭上から床に叩きつける
- 回数: 10~12回 × 3セット
- ポイント: できるだけ短時間で力を出し切る
まとめ
🔹 高レベルMMA選手は短い準備動作でより大きなパワーを発揮できる。
🔹 RSImodが高い選手ほど効率よく瞬発力を活用できる。
🔹 プライオメトリクス(ジャンプ系)、オリンピックリフト、爆発的トレーニングが効果的。
MMAでのパフォーマンス向上を目指すなら、これらのトレーニングをぜひ取り入れてみましょう!🔥💪
この記事へのコメントはありません。